穀雨

今日は海で鮭おにぎりと稲荷寿司と唐揚げときんぴらごぼうを食べた。リードに繋がれていない、自由な小型犬が砂浜に小さな足跡を残していった。そこを逆走していくと、口に砂が入った。歯で潰れる度にじゃりじゃりと音がした。釣り人が二人いた。波打ち際の本当の淵を、波に襲われないように歩いた。
公園に行ったら猫の鳴き声が聞こえた。声を辿っていくと、人懐っこい猫に出会えた。ふくらはぎ辺りに身体をこすりつける様がすこぶる可愛かったけれど、何もあげなかった。「何もあげられなくてごめんね」と言ったら寂しげに鳴かれた。暑さのあまりバッグの中で柔らかくなった苺のチョコレートを、微妙な気持ちで齧った。おーいお茶を飲んだ。
家に帰り着いて、手洗いとうがいをしたら、心が凪いだ。やっぱり家が最も落ち着くなと思った。