海石榴

 夕食後にロールケーキを食べた。ずしりとしたクリームが入った、長いロールケーキだった。ローソンのプレミアムロールケーキを二倍にしたような質量だった。美味しかったけど、高校時代にローソンのプレミアムロールケーキをよく食べていたことを思い出して少し苦い気持ちになった。良いスクールライフを送っていたなら、楽しい気持ちになれただろうに。ロールケーキは最後の一口というところでギブアップした。

 毎週、『青の祓魔師』が放送される度、姉と感想を話し合うようになった。利用する配信サービスの違いから、姉の方が早く観終わるため、もどかしい思いをさせているし、私ももどかしい思いをしている。青エクといえばUVERworldの主題歌がいつも素晴らしい。UVERworldは、高校時代に熱烈なファンの子がクラスにいて、そのことを思い出してしまう。修学旅行先の沖縄にて、バスのカラオケでもその子はUVERworldを歌っていた。あとポケモンを歌っている子もいた。私は何も歌わなかった。

 青エクでも感じることだけれど、喜多村英梨さんが声を吹き込んだキャラにずっと狂わされ続けているなと思う。担当声優が喜多村さんと発表された瞬間、「あああ」と膝から崩れ落ちる(実際には崩れ落ちはしない)。「また好きになっちゃうよー」と思う。元々素敵なキャラが、喜多村さんが担当されることで95割増しで輝いて見えてしまう。遊佐浩二さんも中井和哉さんも、つくづく素晴らしいお声と演技。お二人に関しては言いようのない安心感もある。


 つばきファクトリーの新メンバーを、ひとまず写真だけ見た。まだ動画は見ていない。三人とも可愛かった。ハロプロのメンバーに対する感情は年々変わりつつある。ダブルスコアほど年の離れた子が増えたからか、昔のような強烈な憧れを抱くことはなくなった。それはまあ当然というか、自然なことだと思う。今回加入した三人のうち一人は十五歳で、二人は十三歳だった。十三歳というのは、つまり私が十七歳の頃に生まれたということで、私が十七歳の頃は高橋愛ちゃんや鈴木愛理ちゃんに憧れていた時代で、そういう子たちの目にあの頃がどんな風に映るのか、とても気になる。それよりもっと前の、松浦亜弥さんや後藤真希さん辺りのレジェンドに関しても。物心がつく前のアイドル、生まれる前のアイドル……多分私にとってはキャンディーズとか松田聖子さんが該当するんだろうけれど、伝説的なアイドルだったことは分かる。肌で感じることができなかったというだけで、偉大さは理解できるし、好きな曲だってある。カラオケでも歌う。でもどこか懐メロ的立ち位置なのは拭えない。つばきファクトリーの新メンバーとなった彼女たちにとっても、そうなのだろうか。ハロプロが二十五周年を迎えたことの重みを、今になって感じる。

 私に十三歳の子どもがいてもおかしくなかっただろうから、そう思うと、変な愛おしさみたいなものが湧き上がってきて、こういうのは彼女たちにとっては気味が悪いだろうから、絶対に「一言お話し会」のようなイベントには行けないなと思う。ただでさえ一度も行ったことがないのだ。ハロプロ研修生には十一歳の子も加入した。十一歳といったら、私の同級生の娘さんと同い年だ。恐ろしくなってくる。一瞬も嫌な思いをすることなく活動してほしいし、好きに自由に生きてほしい。