生まれたらしい


 ぼんやりとXを眺めていたらどこかの動物園で山羊が生まれたらしく、生まれたての可愛い子山羊の写真が投稿されていた。山羊は生まれたてでもきちんと山羊と分かる姿をしている。しかもすぐに立ち上がる。そんなに急いで自立しなくたって良いだろうに、立つ。立派だ。それでいて愛らしいのだからすごい。山羊の耳と口と目と尻尾が好き。鳴き声までもが可愛い。そう考えると人間の鳴き声はあまり可愛くないかもしれない。耳もよく見ると複雑な形をしており、ぴくぴく動きもしないし、決して可愛いとは言えない。尻尾もない。ふかふかの体毛もないし、だというのに電車内は脱毛広告で埋め尽くされている。人間は不憫。でも可愛い動物の写真や動画を投稿してくれるのは人間だから、そこには感謝しなければならない。人間、ありがとう。
 韓国語で猫は『고양이』と書き、それが私にはどうも『コヤギ』と聞こえるんだけど、今改めて聞いてみたらあんまり『コヤギ』じゃなかった。『コヤンギ』と『コヤンニ』の中間あたり。


 昨日は本当はヒロアカのグッズが届くはずだった。けれど配達会社から電話があり、まだ営業所に届いていないとのことだった。いつ届くか分からないそうだ。普段は知らない番号からの着信は無視するところだけれど、すぐ出られたのは、その電話を受ける前にホームページをチェックし、雪の影響で配達に遅延が生じていることを知っていたため、配達会社からだろうと予想できたからだ。何か、別に良かった。ただ、念のためお風呂に入らず配達指定時刻が過ぎるのを待っていたから、ようやくお風呂に入れると思い、ほっとしただけだ。
 荷物を受け取る際はいつも日時を指定するのだが、その時間になると毎回落ち着かない。だからいつ届くか分からないというこの状況は、逆に良いかもしれない。いずれちゃんと届いてほしいけれど、たとえば雪の中に埋もれてしまっていたとしても、それはそれで仕方ないと思う。あんなに欲しいグッズだったのに何故だろう。ひょっとすると、カートに入れて購入手続きを終えた時点で、八割くらいは満足していたのかもしれない。