(フィルムが返ってきたので、また脈略のない写真をちょっとずつ載せていきます)
こんな夢を見た。
私は車を運転しており、そろそろ急カーブにさしかかろうとしていた。曲線を描くには身体をやや左に傾けるような体勢でハンドルを捻る必要があった。アクセルペダルを踏んでいた足を浮かす。そうすれば減速しながら曲がっていけるはずだった。なのにそうはならなかった。上体が後方へ、がくんと引っ張られる。車が突如加速したのだ。もちろんアクセルは踏んでいない。慌ててブレーキを踏むが、車は勢いを止めるどころか、猛烈に加速していくばかりだった。
三十キロ規制の道路で、優に百キロは超えているだろうが、メーターを確認する余裕はなかった。車は中央線を越えてしまう。対向車がやってくる。
ああ、終わった。私はぎゅっと目を瞑った。けれど予期していた衝撃は訪れない。目を開く。
確かに対向車との座標軸は交わっていた。にも関わらず、ぶつからない。私の車が、対向車をすり抜けていく。
車はぐんぐん進んでいき、対向車をすり抜け続けていく。一体どこまで行くのだろう。すぐそこにはガードレールがあり、崖がある。けれどもう目は瞑らない。私は何も恐れない。
思った通り、ガードレールも深い崖も、私を傷付けはしなかった。車が上昇していき、空へ向かう。私は銀色の魚になる。
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