色々と悩んだ結果、姉の誕生日にはジャージを贈ろうと決めた。姉は週3回ほど仕事終わりに同僚とランニングをしている。休日も家から徒歩20分ほどのグラウンドに出かけ、走り込んでいるらしい。なのでジャージを複数所持している。
何年か前の誕生日にもadidasのジャージを贈ったことを思い出しながら、再びadidasのジャージを選んだ。そこそこ派手なデザイン且つ、田舎町では浮かない程度の色彩のものを。しかし実際に届いたジャージは期待していた質感とは似ても似つかないもので、ところどころシワがついていた。何でもかんでもネット通販に頼りきりの生活を続けている弊害が出てしまった。デザインはとても良かったし、姉はそんなこと気にもしないだろうが、プレゼントする側としては気が引けた。次第に、これは私自身が欲しくて買ったものだ、と思い込む方向に思考が進んでいった。暖かくなってきたことだし、私もウォーキングを始めよう、ちょうど良いじゃないか、と。でもそうなると、姉へのプレゼント選びが振り出しに戻ってしまう。さて何をあげようか、と悩みつつ、とりあえずスーパーでニベアのボディクリームを買った。こういう日用品が嬉しかったりするものだと、私自身は思う。流石にそれだけでは味気ないので、ネット通販でネックレスを買った。お揃いでつけたいなと思い、コインネックレスを二つ買った。
誕生日直前、姉に会った。「本当はジャージをあげたかったんだけどシワっぽくて……」と話を切り出すと、「え、全然いいんだけど」と返ってきた。想像通りの反応だったが、私はプレゼントを選び直したことを曲げたくなくて、「でも私がもう着ちゃったから」と伝えた。本当は試着しただけだったが、まるで一日着用したように聞こえたと思う。だから「着ちゃったというのは、試着したって意味ね」と付け足した。普通にシワシワのジャージをあげれば良かった。
結局、誕生日当日にはネックレスとボディクリームとお勧めの本(ミシンと金魚)を渡した。メッセージカードに貼ったチェキに大きな反応を示してくれたのが、予想外だった。
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